日本最北、北海道唯一の世界自然遺産 知床羅臼
羅臼町と斜里町に位置する「知床」は、昭和39年に国立公園の指定を受けてますが、両町による世界遺産登録に向けた検討を始めたのは、平成6年の知床国立公園指定30周年が契機で、本格的な検討は平成9年からとなっています。登録の対象になっているのは、オホーツク海に面した知床半島とその沿岸海域で、冬には世界で最も南端に接岸する流氷が訪れ、その流氷が大量のプランクトンを運び、それにより鮭などの魚介類が抱負に生息しています。その鮭は秋に川を遡上しヒグマやオジロワシなどに捕食され、そのヒグマやオジロワシなどの動物の排泄物や死骸が植物の栄養素として還元されてます。このような海と陸の食物連鎖を見ることができるとても貴重な自然環境が評価され、2005年世界遺産に登録されました。日本では自然遺産として3件目の登録で、海岸線から約3km沖までの日本で初めて海を含む自然遺産登録となりました。
所在地
北海道斜里郡斜里町及び目梨郡羅臼町(知床半島の一部)
(ホッカイドウ シャリグン シャリチョウ および メナシグン ラウスチョウ (シレトコハントウのイチブ))
面積
71,000ha(当初の推薦面積は56,100haとしていたが、IUCNからの指摘に基づき、海域部分の境界線を海岸線1kmから3kmに拡張することとしたため、面積は71,000に変更)
知床が評価された登録基準
- 知床は北半球で最も低緯度に位置する季節海氷域であり、季節海氷域の形成による影響を大きく受け、特異な生態系の生産性が見られるとともに、海洋生態系と陸上生態系の相互関係の頻著な見本である。
- 知床は、多くの海洋性及び陸上性の種にとって特に重要であり、これらの中にはシマフクロウ、シレトコスミレなどの多くの希少種が含まれてる。
- 知床は多くのサケ科魚類、トドや鯨類などの海せい哺乳類にとって世界的に重要である。
- 知床は、世界的に希少な海鳥類の生息地として重要であるとともに、渡り鳥類にとって世界的に重要な地域である。
日本一の羅臼昆布
昆布の主な産地は北海道です。昆布の種類には、マコンブ・オニコンブなどの種類があり、羅臼昆布はオニコンブに属し市場では品質が優れていると有名です。古くから北海道の昆布は、珍重される交易品となっていました。ですが、羅臼昆布が知られるようになったのは、明治末期の比較的新しい頃とされています。明治になって本格化してきた昆布の買い付けに来た大阪の商人が、根室の昆布の中に品質の良いものがまぎれているのを見つけ、その産地をたどると羅臼だったのです。それが羅臼昆布の誕生です。今では大阪などの高級料亭をはじめ、富山などの北陸地方、南は福岡のなどで、特に福岡のとある、おでん屋さんでは、「羅臼昆布がなければ店をたたむ」と言わせるほど有名になり私たち昆布漁師の自慢でもあります。
羅臼昆布ができるまで
販売商品
我が家では昆布漁の期間中、昆布の作業場で昆布の販売をしています。細々ではありますが皆さんが購入されて行き、今では常連客さまが沢山出来ました。常連客さまを大事にする事は、当然の事ですが、もっと羅臼昆布の良さを知っていただきたく今回ネット販売に踏み切る事にいたしました。そこで、ネット販売をするに当たり、販売商品の品目を増やし皆様にご提供しようと思います。しかし今は、私たちの商品が、おかげさまで大変人気があるために在庫が無く、昆布の漁期が7月中旬~8月末なので商品が出来上がるのに11月頃になる予定です。ですのでそれからの販売になる予定でございます。商品は数に限りがありますので、品物が無くなり次第販売を終了させていただきますのでご了承ください。みなさん是非、世界自然遺産知床羅臼の海で育ったミネラルいっぱいの羅臼昆布を楽しみにお待ち頂き、ご賞味頂けたらと思います。
羅臼昆布や魚が美味しい理由
羅臼の海は日本の漁場の中でも深く複雑な地形の海であることと、羅臼町の南北の距離60~80kmの間に大小合わせ何十本もの川があり豊富なミネラル分が山から流れてくるのと、なんといっても毎年アムール川から流れて来る流氷が沢山のプランクトンを運んでくることが昆布をはじめ鮭やホッケなどの沢山の魚を美味しくさせてくれる秘密でもあります。
昆布漁
羅臼の昆布漁は、7月中旬~8月末まで行われます。羅臼で昆布漁を行なう時は昆布竿と呼ばれる長さ5~7mの棒の先にマッカと呼ばれる二股の木を取り付けた物とメガネと呼ばれる黒い円錐状の底にガラスが付いている物が必要で、まずメガネで海底を見て昆布を探します。そこで昆布を見つけたら、昆布竿を立て海底の昆布を目掛け刺し竿の先のマッカで昆布を挟み捻じり採り上げ、竿の先の昆布を外し船へ積みます。採ってきた昆布は一枚一枚浜へ天日干しにしその後昆布を乾燥機に丸1日掛けます。ようやく乾いた昆布を次は、夜露にあて湿らせ、その湿らせた昆布を一枚一枚ロール状に巻いていきます。巻いた昆布を次は伸ばしていき伸ばし終わった昆布の上に重りをのせあんじょうさせます。あんじょうさせた昆布を天気のいい日にまた一枚一枚天日に干しにします。干した昆布を次は一枚一枚ハサミで昆布のひれっ葉を刈ります。最後その刈った昆布を一枚一枚等級別に選別し、梱包してようやく検査を受け合格したら出荷できます。ですから羅臼昆布は良質な上に、漁師の手間隙が込めらている高級品なのです。
羅臼について
羅臼は、日本最後の秘境と呼ばれる知床半島を斜里町と2分していてます。斜里側のウトロ地区と羅臼を結ぶのが観光名所でもある知床峠で、この道以外の道路は海岸伝いに北東に進む道しかありません。その両側には、途切れることなく家が立ち並んでいて、その中にはかつて羅臼をゴールドラッシュへと導いたスケソウダラ漁で大儲けした人達のスケソウ御殿と呼ばれる家々が幾つも立ち並んでいます。羅臼の気候は夏は余り気温が上がらず、逆に冬は比較てき暖かいといった気候で年降水量は近隣の町よりも多く、全道でも有数の多雨地帯となっています。羅臼は知床連山の影響が強く時々羅臼おろしや、ルシャおろしと呼ばれる突風が吹き、昔これらの突風で何百人という人が海で亡くなった歴史があります。
羅臼の漁師
羅臼の海は色々な魚が採れるため1年中漁師が海へ漁に出ます。1月~3月まではスケソウダラ漁が始まり流氷のある海で漁をするのは羅臼の海の男たちだけしか出来ません。1月中旬~6月中旬にかけては、ウニ漁が始まり羅臼のウニは羅臼昆布を餌としている為、味が良く日本のウニの中でも品質が良いとされています。4月~12月までは、刺し網漁が始まりホッケや真鱈、カレイなどを網を入れ採る漁があります。そして7月中旬~8月末に掛け昆布漁が始まり、9月~11月からは秋鮭漁が始まります。10月中旬位からはイカ釣り漁がはじまり、まだこのほかにも色々な漁があります。これらの沢山の種類の魚が羅臼の特産品に間違いありません。